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2023年4月1日の労働基準法の改正
カテゴリー: 社員日記

早いものでもう11月。
歳を取るにつれて1年が本当に早く感じます。

今年も私たちの生活に関わる数多くの法改正がありました。
年金の減額や短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用拡大、後期高齢者の医療費負担の引き上げなど、特にお金に関わる変化は気になる方も多いと思います。

そんな中、2023年4月1日の労働基準法の改正により、残業代の割増率が変わることをご存知でしょうか?
大企業では2010年から適用されており、中小企業においては猶予期間があったもので、月60時間を超える法定時間外労働に対する最低の割増賃金率が25%から50%に引き上げられるのです。

中小企業では、これまで法定時間外労働の割増率は何時間残業しても一律25%以上でしたが、この法改正で1ヵ月60時間以内か以上かで割増率が変わることとなります。

例えば、70時間の法定時間外労働をした場合、60時間まではこれまでと同じく25%以上の割増率で計算され、残りの10時間が50%以上の割増対象です。
もし、月60時間を超える法定時間外労働が深夜(22:00~5:00)の時間帯だった場合、深夜割増賃金率25%+時間外割増賃金率50%=75%の割増率にもなります。

また、労使協定の締結により、月60時間以上の時間外労働の割増賃金(25%以上を上回る部分)の代わりに代替休暇を与えることも可能です。
例えば70時間の時間外労働では以下の計算のとおり「2.5時間」の代替休暇が取得可能となります。
<代替休暇の計算式>
・60時間超は10時間(70時間-60時間)
・10時間×25%(50%-25%)=2.5時間

つまり、月60時間を超えたすべての時間が代替休暇の対象ではなく、あくまでも今回の改正でプラスになった25%のみが対象です。
加えて、代替休暇を取得するか、割増賃金をもらうかは労働者が選ぶことができます。

労働者の立場から見た場合、今回の労働基準法改正は、一見、ありがたい法改正に思えるのですが、毎年4月から6月の給与の平均で9月以降の社会保険料が見直されることに注意が必要です。
給与が上がった分、社会保険料も上がり、思いの外、割増分の恩恵を受けられないということもあり得ます。

いっぽう、年間休日が多い企業は時給換算の残業代が高額になり、業種によってはコストの大幅な見直しが必要になるケースもあります。
時間外労働の割増賃金の計算や代替休暇の取得など、総務、経理業務の煩雑化も予想され、間接費にも影響がでます。

ワークライフバランスの考え方や働き方改革などもあり、残業に対しての規制は年々厳しくなってきています。

今回の労働基準法の改正で、過剰、または無駄な残業が見直され、それでも必要な残業部分は派遣やアルバイト、パートで補うなど雇用機会の創出に貢献するという側面にも期待をしたいと思います。