自動車事故を取り巻く話
カテゴリー: 社員日記
特にヒューマンエラーについて
「交通心理学」
今年度に入り新たな取り組みとして、交通心理学を取り入れてみました。
金城学院大学(交通心理学)北折充隆准教授にご教授していただき事故を起こすときの心理、安全運転を心がけている人の心理、予防するために何が必要なのか。
事故を起こした人に対する指導方法などを教えていただきました。
日本交通心理学会
※プロフィール
氏名   北折 充隆
学位   博士(教育心理学)
所属   人間科学部/多元心理学科
職名   准教授
所属学会 日本社会心理学会 日本グループ・ダイナミックス学会 日本交通心理学会
専門分野  社会心理学 交通心理学
研究課題  社会規範からの逸脱行動に関する研究 道路交通法に関する心理学的研究
裁判の量刑判断に関する研究
事故が起こる原因のヒューマンエラーは大きく分けて6つ
1、リズムに基づくエラー
24時間繰り返される日々の中での事故
たとえば居眠り事故はAM6:00頃に集中して起きるといわれています。
一般的なイメージでは、この手の類の事故は夜中に起きやすいと思われがちですが実態は大きく異なります。
明け方と昼食後は意識水準が下がると言われており、これが居眠り事故を引き起こします。
2、新人型のエラー
経験の少ない子供や若者によく見られるエラーです。
経験が少ない“新人”はある一つ対象物に意識が集中してしまい起こる事故です。
子供が飛び出してヒヤッとした経験はドライバー人生で遭遇することがあります。
新人型のエラーには訓練・教育が必須である。
3、旧人型のエラー
習慣的行動が起こすエラーです
。人は一日の行動の70%を習慣で処理しているといわれています。
こうした行動は効率的ではあるのですが、時として状況変化を見落とすことに繋がるのです。
つい、いつもの癖で、そのときやらなくてはいけないことと、違うことをやってしまい起こす事故です。
4、緊張型のエラー
慌てたとき、急いだときに起きるエラーを指します。
慌てているときはじっくり物事を考えないために動作が荒っぽくなってミスを起こしてしまう、パニック時に不可解な行動を取ることは非常に良くあります。
視野が急に狭くなり、その結果、ますます判断の冷静さや柔軟性がなくなってします。
5、高齢型のエラー
高齢になって様々な機能が低下することに起因したエラーです。
視力や聴力の低下はもとより、記憶力や学習能力に加え体のバランスを取る能力も低下していきます。
6、不適応型のエラー
個人生活、家庭生活、職場生活などがうまくいかなくなったとき、生活が崩れて行動を不安定になります。
こうした精神状態では注意が散漫になり、事故を起こしやすくなるものです。
交差点での死角
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ドライバーの運転席から見た死角 
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『慣れこそ事故の元』 
弊社も含め、プロドライバーが起こしやすい事故は「3」旧人間型エラーだといわれている。
プロドライバーの場合、「2新人型エラー」ような「意識の集中」による事故
はほとんどない。多く見られるのは『慣れ』によるエラーです。
毎日の繰り返しで事故の無い日が続くとスキが生じ、初めはしっかりと確認していてもやがて気にとめなくなり意識されなくなっていきます。
すると“うっかり忘れた”・・・といった事態を引き起こす確率も高くなり、“実際に問題が起きた時点で改めて意識化”され、日常の慣れた行動とは異なる対応が求められパニックが引き起こされます。
こうした『行動の無意識化』を回避するための工夫、教育等を徹底させることにより事故予防に繋げていきます。
ではどのように今回、学んだことを活かして事故の元。『行動の無意識化』『慣れ』をなくしていくか。
誰にでもできて、意識をすれば出来ることを徹底させようと、弊社では、
『指差呼称』の徹底をスタッフ全員に推進して安全意識を高めて行くことにより事故防止に役立ていくことになりました。
『指差呼称』をすることにより事故が50%減るといわれています。
「アルバで出来る現場レベルの指差呼称を考案する」
『無意識のレベル』を『意識するレベル』に上げることになる。
意識レベルにないものを顕在化させる。
安全意識、『指差呼称』を習慣化させる
「事故を起こす人はリピーター」安全意識、危険回避能力を高める指導
イラスト問題などで潜在意識にあり安全意識・危険感知能力を探る
本当のプロは最後の詰を大切にする。
最後にミスをするのはプロではない。
(木登り名人は降りるときに細心の注意をはらい着地寸前に一番気をつける)
※事故を起こした人の心理状態(自己正当化)
「自分だけは大丈夫」
・事故は誰でも起す、あなたもやるかもしれないと自分ごとに落とし込む
「事故を起そうと思っている人はいない」
・仕方がないという一種の諦めが失敗を擁護している
「事故にあうのは運が悪かった」
・事故や危険な状況は予想がつく、たまたま偶然はありえない、運がなかったということで自分が危険な運転をしていても自己正当化してしまう。
営業担当者はスタッフの方とコミュニケーションを取って万が一の事故のときにこんな言い訳をさせないように指導、教育できるように社員全員高いレベルで安全を追求していきます。
介護送迎業務での事故防止
介護施設は主にハイエース、キャラバンなどのワンボックスカーによる送迎業務を行っております。
その中で多い事故は駐車場での接触事故です。
1番の事故の要因は油断と過信です。
ちょっとした油断が事故を起こします。
弊社では介護送迎スタッフに車両の特徴、車両の死角、運転特性を理解していただく研修を実施。
研修修了後、安全第一に心掛け、施設の方や利用者様を安心して送迎するように教育・指導を行っております。
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アルバは指差呼称を推進することにより安全意識を高め、事故予防に努めていきます。